皆さん初めまして!
ホンダ学園エンジン部門リーダーを担当している梶と申します。エンジン部門は二人いて、もう一人は小林くんです。基本的に二人で作業を進めています。
エンジンは例年通りであれば、レストアに加えてパワーを上げていく改良も行っているのですが今年はコロナの影響もあり、活動が制限される中でのパワーアップの改良は難しいと考え、新品と比べて見劣りしない完璧なレストアを目指し進めていくことになりました。若干さみしい気もしておりますが、自分たちのできる限りを尽くし頑張っていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
▶︎目次エンジン降ろし
- エンジン降ろし
- エンジンシリンダヘッド降ろし
- バルブ磨き
- まとめ
1.エンジン降ろし
エンジンを下すためには事前準備が大切となります。例えば降ろしている最中にあの部品を外さないと取れない!ということが起きてしまうと、作業のしにくい姿勢で外すことになってしまうからです。そのようなことがないように事前にボディやほかの部品と干渉する部品がないかよく確認することが大切となります。
今回は、事前にトランスミッションが降ろされていたということもあり基本的に干渉する部品はないと考え、そのまま降ろすことになりました。
ですが、その前にもう一つしなければならない作業があります。それは配線であったり、ホースなどの取り回しの確認やついていた場所の確認です。これを読んでくださっている方の中で、重整備等をやったことがある方ならわかると感じる方が多いと思うのですが、外すのは簡単なのでポンポンと外していきますが…
取り付けていくときに、あれここ、どうなっていたっけ?となってしまうことがあります。そうなってしまわないように配線の取り回しなどを写真でとり、さらにホースなどを外すときについていた部品にマスキングなどで印をつけることで、組立作業が円滑に進むようにしました。
ところどころに黄色いテープが貼ってあると思います。これに後で見てもわかるよう記号や部品名を書きました。
そんな感じで作業を進め、ようやくエンジンが降りました。
2.シリンダヘッド降ろし
続きまして、シリンダヘッドをシリンダブロックから降ろしていく作業です。
ヘッドを降ろすのにあたり、補器類やインテークマニホールド、エキゾーストマニホールドなどを外し作業開始です。
まず、ベルトカバーを外しタイミングベルトのタイミングの合いマークがどんな感じか確認します。
赤丸で示した部分にポンチのマークがカムシャフトのスプロケットにあり、それとヘッド側の三角の突起に合わせることでヘッド側は合います。この画像ではわかりにくいですがクランクシャフト側の方も同じような感じになっていました。これで確認ができたのでタイミングベルトを外し、そのほかヘッドを降ろすのに邪魔なものを外していき、シリンダヘッドをシリンダブロックから降ろしました。
3.バルブ磨き
続いて、シリンダヘッドを分解していきバルブの取り外しまで行ったので、エキゾーストバルブ、インテークバルブを、それぞれきれいに磨いていきます。
もちろんですが左側が磨き前となります。
インテーク側、エキゾースト側と2種類あったので自分がエキゾースト側を担当し、小林君にインテーク側の磨きを行ってもらいました。この作業は少し前に部活でやっているのを見たことがあったので、できるかなと思っていたのですが想像以上にメンタル的な戦いでした。エキゾースト側はスラッジが焼き付いていて、荒いペーパーのやすりで磨くのはとても時間がかかりました。やすりの番手を上げても基本的に同じ作業が続いたので、そこが一番大変でした。最終的には#120→#320→#600→#800→#1000と番手を上げていき最後に研磨剤で磨きました。
このような感じで、鏡面に仕上がりました。鏡面に自分の姿が映るぐらいになってくると、なかなか楽しかったです。
そしてこれを、井上ボーリング様に持っていきバルブのリフェースを行ってもらいました。
少し光の加減で分かりにくいかもしれませんが、矢印の部分のピカピカになっている部分ですね。前の画像と比べるとわかると思うのですが、とてつもなくバルブのフェースの部分がきれいに仕上がっています。これを初めて見たときには、やはりプロの方がやっていることはレベルが違うなと改めて感じました。
4.まとめ
最後までご覧になっていただきありがとうございます!
車検を取得する予定日に近づいていますが、次回のエンジン部門の投稿では、エンジンの清部品清掃や組み上げ、載せているところなどを詳しく触れていきたいと思いますので、楽しみにお待ちください!