こんにちは、いつも読んでくださってる人はお久しぶりです。そうでない人ははじめまして!東大側でロジスティクス副部門長をしている馬田です。
これまでシャレードのラリーカーの改造のお話や、部門ごとの事務的なお仕事のお話がブログに並んでいましたが、今回はフリーテーマということで、プロジェクトで使っている車を運転するときに気づいた違いについて、書いていこうと思います。
え?改造だけじゃなくて運転もしてるの??って思ったそこのあなた!そうなんです!!このプロジェクトではラリーの競技中の運転こそ外部のドライバーさんに依頼しますが、競技開催地までの陸送や試験走行などは自分たちで運転しながら行っています。免許をとってから長く運転しているメンバーもいれば、免許をとったばかりのメンバーもいるので、メンバー内で運転のコツを教えあったりもしてるんですよ!
さてさて、本題に戻りましょう。
私たちが使う車と一般的な車の違いは主に2種類に分けられます。一つは年式の違いからくる違いです。私たちが使ってるダイハツ・シャレードは1978年式、トヨタ・カローラレビンは1972年式ということで、製造されてから40年以上も経っています。40年のギャップはなかなかに大きいです。
もう一つはラリー仕様に改造しているところからくる違いです。これも普通の運転よりは過激な運転に耐えられるようにしているので、普通の車とは大きく違う点があります。
今回はこの二つの視点から違いを解説していこうと思います!
まずドライバー目線の運転席の写真を見てみましょう。ガレージの中でしか写真が撮れなかったので全体的にちょっと暗いですが…違いはどこにあるでしょう?
と訊くまでもなくこれを見ただけでもう見た目が現代の一般的な車と全然違いますよね。
皆さんはまずどこに目が行きますか?やっぱりまずはハンドルでしょうか?
このハンドル、見た目が古いだけじゃなくて、中の機構も今の車とは違います。そう、「重い」んです。最近の車はパワーステアリングといってハンドルの操作を補助してくれる機構がついているので小さい力で軽くハンドルを回すことができるのですが、シャレードにはついていないんです!スピードを出さずに曲がる際にはとても力が要りますよ。
次にハンドルの裏にあるレバーも現代の車とは一味違います。
よーく目を凝らしてみると、左側にライトのマーク、右側にワイパーのマークがついていると思います。逆ですよね普通。さらに驚くべきはここからで、なんとハイビームとロービームの切り替えやパッシングなどのライト操作は右側のレバーなんです!!!オンオフの操作と違う側のレバーというのも初見だと絶対にわからないですし、ワイパーのマークがついてるレバーを引くとライトが切り替わるのはとてもカオスですね。ちなみにウィンカーは一般の車と同じく右側のレバーの上下です。
それと、写真はないのですが、レビンはライトのスイッチが前のパネルにくっついているなど、現代の車両ともシャレードとも違って面白いですよ。
ここでちょっとカメラを引いて前を見てみましょう。
皆さんお気づきでしょうか、ミラーの位置が違いますね。
一般の車についているドアミラーに対し、この位置にあるミラーをフェンダーミラーといいます。今でもタクシーはフェンダーミラーを付けている車両が多いですね。このフェンダーミラーでは視線をあまり動かすことなく後方の確認ができます。逆に右左折時の巻き込み確認は忘れやすくなるので気を付けないといけません。
逆にメーター部分をアップにした写真がこちらです。
最近はデジタル表示のメーターを装備している車も増えましたが、もちろんアナログのメーターです。距離計は1周で10万キロ(あと5000km程度で一周します!!) 、真ん中についているのはタコメーターというエンジンの回転数を示すものです。デフォルトではついていなかったのですが、後付けでくっつけています。
注目していただきたいのはその下です、ハンドルの奥に何やらくっついていますね。
左側はフォグライトのスイッチです。前からの写真を見たことがある方は分かるかもしれませんが、真ん中に二つついてる後付けのライトです!もちろんライトが後付けなのでスイッチも後付けです。これはスイッチを押すとついたり消えたりするようになっています。これはラリー仕様だからこその差ですね。
その右側に何やら黒い棒みたいな物がくっついているのが分かりますか?なんとこれがハザード(両側のウィンカーを同時に点滅させる)のスイッチです。目立つ印もないのでとても分かりにくいですがこんなところにあるんです!基本これは緊急時に使うものですが、私が初めて運転した時見つけられずにパニックに陥りました。初めての車を運転するときは必要なスイッチがどこにあるかはしっかり確認しておきましょう。
スイッチをアップで撮ってみました。よく見たらハザードのレバーは上にマークがついていますがこれだと見にくいですよね…。
次は左側に目を移してみましょう。
これは分かる人も多いですかね?もちろんマニュアル車のシフトノブです。最近はオートマの車が多いので、これも一般的な車との違いといって大丈夫でしょう。シャレードは4速、レビンは5速まであります。もちろん足も3ペダルですよ!
これまでに書いたのは主に運転をするときに意識しなければいけない違いです。このように運転操作も大きく違うのですが、違うのはそれだけではありません、今度は車を降りて外から運転席を見てみましょう。
やはりいろいろな場所が違いますね…。一番違和感があるのは黄色いシートベルトが座席のど真ん中からでているところでしょうか?このシートベルトは5点式のシートベルトといって、左右の腰、肩と股下からの5点で体を固定するために増設されたものです。ラリー競技は激しい競技なので、万一のことがあったときに普段皆さんが使っているようなシートベルトだと少し(どころではなく)心許ないです。よって、競技中の選手はこのシートベルトを締めています。ちなみに写真を撮り損ねたのですが一般的なシートベルトももちろんついています。そして、巻取り口が一般的な車と違って下側にあります。(言葉だけでは伝わりにくいですね…。シートベルトを引っ張る時に上からではなく下から引っ張るんです。)
シートベルトだけではなくシートも違います。これも競技用のシートを取り付けたものですので一派の車とは見た目も座り心地も全然違います。ロールケージも見えていますね。このロールケージはとても太いので、運転するときに横の視界に入って圧迫感を感じることもあります。そして、車両に乗り込むときはこのシートの高い淵とロールケージをよけなければいけないのでとても大変です…。
最後にご紹介するのはドアについているハンドルです。
上にあるのがドアノブ、右下にあるのは取手ですね。では左側のハンドルは何でしょうか?
これは窓の開閉に使われるハンドルです!現代の車は窓も電動でスイッチを押すと上がったり下がったりしますし、奥まで押し込めば自動で下まで開いてくれる機能も備わっていますよね。しかし、この車はハンドルをクルクルと回すことで人力の手動で窓を開閉します、なんとも面倒と思う方もおおいかもしれませんが、実はバッテリーが使えなくても窓が開くことは水没時や、ちょっと窓を開けたいけどそのためにキーを指して回すのが面倒っていうときには役に立ったりするんですよ。
さて、これまで場所ごとに見てきましたが、最後にまとめてみましょう。
旧車ゆえの違い
MT車
ステアリングが重い
右と左のレバーの機能
メーター
シートベルトの出てくる位置
フェンダーミラー
などなど
ラリー仕様だからこその違い
シート
フォグライト
5点式シートベルト
ロールケージ
などなど
このように私たちの使っている車は一般的な車に比べてもいろいろな場所が違います!今回はシャレードばっかりの紹介になってしまいましたが、レビンもまた全然違います!!
古い車やラリー仕様が好きな人も初めて見た人も、これを見て興味を持ってみてくださったら嬉しいです!(今年は無理かもしれませんが、コロナが収まったら)ぜひ実車を見に来て、その目で確認してみてください!!